失われた結婚

どうして彼がこんなところにいるの?パーティでイーサン・ワイアットの姿を見つけたとたん、アビーの胸に痛みが押し寄せた。
ようやく新しい人生を始める決心をしたのに。
八年前、新妻のアビーは彼と空港で別れた。
彼は一緒に住む準備ができしだい迎えに行くと誓った。
だが、その約束はいつまでたっても果たされることはなく、最近になって彼女は離婚をせまる手紙をイーサンに送ったのだ。
混乱するアビーに対し、彼は平然とした様子で告げた。
「僕たちはまだ夫婦だ」温泉保養地バースを訪れたアビーはパーティーで、祖父の名付け子のバートと再会した。
アビーは彼にプロポーズされたが、断った過去がある。
バートが祖父を喜ばせるためだけに求婚したとわかっていたからだ。
祖父はバートがここに滞在しているのを知って、私に温泉を勧めたにちがいない。
その手には乗らないとばかり、アビーはつとめて冷ややかにバートに接した。
ところが、彼に同行していた妹がアビーになつき、どうしても一緒にピクニックに行きたいと言いだして……。
ドミニ・ド・モントフォードはハーウッドの女君主。
彼女の領地は盗賊団の脅威にさらされていた。
家臣と領民を救うために、ドミニは修道院へ向かう。
かつてハーウッドの君主であり、勇猛果敢な戦士だったアーマンドを連れ戻すためだ。
アーマンドは政治的な裏切りにあったことがきっかけで厭世的な気分に陥り、修道院に入ったのだった。
二人の言い分を聞いた大修道院長は意外にも彼に修道院を去るよう促す。
こうしてアーマンドは再び剣を手に取ることになったが……。
ケイトは亡き父の精米所の新しいオーナーを見て、色を失った。
かつて彼女が愛し、自ら残酷な別れを強いた元恋人のチェイス。
十七の少女にはどうすることもできない事情だったとはいえ、罪悪感がいっきに押し寄せる。
だが今や、ケイトの住まいすら彼のものになってしまった。
自分が追い払われるのはしかたないが、敷地内に住むシングルマザーの親友だけは置いてほしい。
そう必死に懇願するケイトに、チェイスは言った。
「そのためには、代償を払えよ。
僕はきみがほしい」雑貨店を経営するホリーが空輸の商品を待っていると、小型飛行機が目の前で墜落した。
彼女は懸命にパイロットの男性、ガイを救出する。
奇跡的に軽傷ですんだが、ホリーは彼を自宅で療養させることにした。
助けたからには責任を持つべきだからと自分に言い聞かせ、いまだ誰も入れたことのない寝室にガイを寝かせた。
だが数日をともに過ごすうち、ホリーは彼に強く惹かれていく。
そんな彼女の思いを知ってか知らずか、ガイが言った。
「ホリー、今夜は寝室で寝たらいいよ」続きはこちらから⇒ttp://www.ebookjapan.jp/shop/book.asp?sku=60013251